俳優としての十分なキャリアはもちろんだが、近年プロデューサーとしても成功を収めているブラッド・ピットが、名作『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞監督賞を受賞した名匠ロバート・ゼメキスと待望の初タッグを組んだ感涙作『マリアンヌ』。シネマカフェでは、本作のみどころとともにひさびさのラブストーリー出演となるブラッド・ピットが魅せた役どころ、そして試写を観たユーザーのコメントとともに作品の魅力を特集する。
マックス(ブラッド・ピット)とマリアンヌ(マリオン・コティヤール)の出会いは、1942年のカサブランカ。イギリスの特殊作戦執行部より派遣された2人は、ある重大なミッションのために長年連れ添った夫婦を演じることになるが、お互い顔も名前も知らない。目印はマリアンヌの“紫色のドレス”と“ハチドリ”──出会い方は何ともスリリング! そして初めて出会うというのに、お互いの姿を見つけたときの表情はまるで愛しい恋人を見つけたかのようで何ともロマンチック! ミッションとはいえ夫婦の会話と距離感は自然体、さすがは優秀なエージェント同士だ。その後、夫婦を演じたことで愛が生まれたのか、それとも運命の相手だからなのか、2人は惹かれ合い、恋に落ち、ミッション決行前に一線を越える──。
エージェント同士の結婚は危険であることは分かっていても、マックスとマリアンヌは一緒に生きていくことを決める。ささやかな結婚式を挙げ、やがて娘が生まれたその矢先、マックスは信じられない疑惑を告げられる。それはマリアンヌに二重スパイの疑いがあることだった。72時間以内に疑いを晴らすことができなければ、マリアンヌがスパイであれば、マックスは自分の手で殺さなければならない。彼女を助けるために裏切れば自分自身も処刑される…。絶対に疑いを晴らさなければならないマックスは愛のために奔走する。最愛の妻を信じ抜こうとするマックスの行動、最愛の夫の変化に不安を抱きながらも家族を守り抜こうとするマリアンヌの心情、どちらの目線に立っても心が揺さぶられ、締めつけられ、涙があふれてくる。
この映画は、孤独に真面目に生きてきたエージェントが恋に落ちる物語。マックス役のブラッド・ピットにとっては久々の恋愛ものであることも見どころだ。数多くの映画に出ているが、実はラブストーリーは数えるほど。たとえば『ジョー・ブラックをよろしく』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のような“恋するブラピ”に会いたかった! という人にとっては待ちに待った作品。初めて出会ったときに抱き合うシーンも、任務決行前に砂嵐のなか愛し合うシーンも、結婚して疑惑が浮上してからも、マックスのマリアンヌに向ける眼差しはいつだって優しくて愛しさに満ちている。そうさせているのはマリアンヌがとても魅力的であるからで──きっとこの瞬間にマックスは彼女に恋をしてしまったのだろう…と思わせる出会いのシーンのマリオン・コティヤールは息をのむほど美しい。さらに背中が大胆にあいたドレスから色っぽいナイトガウンまでクラシカルなファッションの数々もマリオンにぴったりだ。 text:Rie Shintani
本作公開にさきがけシネマカフェ読者による独占試写会を実施。来場したユーザーに満足度や本作の魅力についてアンケートを行った。いち早く本作を観たシネマカフェユーザーは、本作の魅力をどう感じ取ったのか?男女様々な声の一部をご紹介。
1942年、カサブランカ。マックスとマリアンヌは出会った。極秘諜報員とフランス軍レジスタンス、決して交わることのない人生を歩んでいた2人は、ある重大なミッションによって引き寄せられる。それは夫婦を装って敵の裏をかき、ドイツ大使を狙う作戦だった。その後、ロンドンで再会した2人に、愛が芽生え始めるのは自然のことだった。しかし、マリアンヌには愛した人にも決して言えない“ある秘密”を抱えていた――。