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浅野忠信、ゴールデングローブ賞の“秘密”明かす「スピーチは呼ばれた瞬間に全部飛んでしまって」

照屋年之監督の6年ぶりの最新作『かなさんどー』。2月22日(土)、主演の松田るか、堀内敬子、浅野忠信と照屋監督による舞台挨拶が行われた

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『かなさんどー』©︎「かなさんどー」製作委員会
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『洗骨』照屋年之監督の6年ぶりの最新作『かなさんどー』がついに全国公開。2月22日(土)、主演の松田るか、堀内敬子、浅野忠信と照屋監督による舞台挨拶が行われた。

「かなさんどー」とは沖縄の方言で “愛おしい”を意味する言葉。本作は沖縄県の伊江島を舞台に、実力派キャストで情緒豊かに紡がれる“家族の愛と許しの物語”となっている。

1月31日(金)には沖縄で先行公開、初日からの3日間で累計動員4,403人、興行収入592万7,880円を記録、前作を超える好調なスタートを切っている。

沖縄に続いて全国公開を迎えたことについて、照屋監督は「スタッフの汗と努力が混ざった作品がようやくみなさんに観てもらえます。さらにそれが(公開前の)良いタイミングで浅野さんがゴールデングローブ賞を授賞し、本当にいい追い風で、乗っかり商売させてもらいます(笑)」と浅野に深々とお辞儀し、ジョークを放つ。

■松田るか「沖縄県民性に改めて気づかされた」

また、松田は主人公・美花を演じたことについて「方言を使えたのがやはりすごく嬉しくって。まさかこれが力になって、しかも故郷・沖縄で撮った作品で真ん中に立たせていただけるというのが、すごく光栄に思います」と喜びを語った。

映画のタイトルにもなっている沖縄民謡の「かなさんどー」を劇中で歌唱したことについて、「沖縄民謡を歌ったことがなかったですが、耳が慣れていたみたいで、自分が気づかなかった沖縄県民性に改めて気づかされました。でも普通の歌い方と少し違うので、やっぱりそこは難しかったです」と明かした。

浅野演じるダメな夫・悟を明るく献身的に支えている町子を演じた堀内は、役柄について「照屋監督のお母様をモデルにされているとお話を伺ったので、とてもプレッシャーもありました。でも家族をすごく愛そうという気持ちを強く持ちながら演じさせていただきました」と語る。

演じる上で特に難しかったシーンについては、「美花と町子が喧嘩をする大事なシーンで、リハーサルでかなり涙が出てしまって、その後の本番で急に涙がピタッと止まってしまいました。それから少し時間をもらい、1人の時間を作らせていただいて、気持ちを盛り上げました。その時もるかちゃんが目の前にいてくれて、本当に心強かったです」と、町子の演技に苦悩するも娘役の松田に救われたことも告白。

そして、浅野が本作に出演を決めた理由について聞かれると、「僕は沖縄が大好きで、何か沖縄に恩返しできるようなことはないかと考えていました」と明かす。

「沖縄のテレビ局でドラマがあったら、ぜひ出演させてもらえないかなって思っていたら、ちょうど本作の台本が届いて、ストーリーがものすごく面白かったので、ぜひやらせてくださいと返事させていただきました」と明かすと、照屋監督が「沖縄のドラマに出たいなんていうと、数分後に沖縄のテレビ局から電話きますよ」とのツッコミも。

■照屋監督「今作は『許し』をテーマに」

撮影で印象的だった出来事について照屋監督は、「先ほど堀内さんが言われた大事なシーンで涙が出ないっていうところが結構苦労されていて。本読みの時はボロボロ泣いていたので安心していたのですが、本番急に涙が止まってしまって」とふり返る。

「堀内さんの気持ちを作ってもらっているとき、スタッフがその場に何十人といる中だったので、かなりのプレッシャーだったと思います。それから何回もカットを重ねて、やっと涙が出た時は全スタッフで拍手してっていう現場が、すごく映画みたいで感動しました」と明かした。

そして本作に込めた想いについて聞かれると、「僕自身が辛い時とかにエンタメに救われてきたので、明日また1歩勇気を出して、前に出てみようと思えるような作品作りを常に意識はしています」と監督。

「今作は『許し』をテーマにしていて、ほとんどの人が人間関係で苦しんでいるはずです。でも苦しい時に手を差し伸べてくれるのもいつも人間です。そういう中で『許し』とはどういうことなのだろうっていうのを、この3人なりの答えを出してくれると思うので、そこを楽しんでいただけたらと思います」と、思いを口にした。

さらに、今作のキャッチコピーの「愛おしい秘密」にちなみ、誰にも言ったことのない秘密を披露することに。

浅野が、「ゴールデングローブ賞でスピーチをさせていただいたのですが、実はちゃんとしたスピーチを考えていました。皆さんに感謝の言葉を述べようと、いろんなスピーチをちゃんと考えて、毎日のように練習していたのですが、呼ばれた瞬間に全部セリフが飛んでしまってあのスピーチになったんです」と明かすと、会場には驚きの声が上がっていた。

最後に松田は「観終わった後に顔が思い浮かんだ人に、『かなさんどー(愛おしい)』と伝えるきっかけになれるといいなと思っております」と語り、堀内は「疎遠になっている家族や友人に勇気を持って、『今度会おう』と声をかけられるきっかけになるような映画になっていると思います。ぜひ楽しんでご覧ください」とコメント。

また浅野は「皆さんと本当に仲良く現場でも過ごしていましたし、僕も安心しきって家族の一員としてその場にいることができました。この現場から溢れる笑顔がそのまま映画の中に入っているので、そこをぜひ観てほしいなと思います」と語る。

照屋監督は「オンデマンドなどで映画を観る時代になってきている中、わざわざ足を運んで劇場に来てくれるっていうのが、作り手としては報われます。皆さんの人生の大事な90分間を『かなさんどー』にいただき、感謝しております。是非ともその90分、裏切らない内容になっていると思いますので、ぜひ楽しんでいってください」とメッセージを送っていた。

『かなさんどー』は全国にて公開中。


《シネマカフェ編集部》

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