北村匠海監督短編映画『世界征服やめた』より、本編抜き映像が公開された。
本作は、亡き孤高のポエトリーラッパー、不可思議/wonderboyの名曲の映画化。
今回公開されたのは、萩原利久が演じる内向的な主人公・彼方と、藤堂日向が演じる楽観的な同僚の星野が、他愛もない話をする場面。
なんでもない日常、特別なことが起きるわけでもないが、このシーンの中にも、彼方の絶望感、太陽のような雰囲気の星野のキャラクターが感じられる。
セリフに頼らず、雄弁な余白や沈黙で等身大の傷を画面に宿らせる絶妙なストーリーテリング、彼方と星野以外の人物が静止するストップモーション的なシーンに象徴される遊び心、東京の街や会社の中にぽつんと人物を置き、引きのカメラで孤独感を演出する画作り、2人と足並みを揃えながら、一切の無駄を感じさせない締まった構成ほか完成度を見せつけた。
なお、楽曲「世界征服やめた」の歌詞は、本作のポスターにも掲載されているが、公開前にじっくりと歌詞を読んでもらえるように、歌詞をメインにした場面写真も公開された。
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『世界征服やめた』は2月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。
ACTIMAGE【アクティマージュ】VOL.13 QLAP!増刊 【表紙:八木勇征(FANTASTICS)・バックカバー:北村匠海・萩原利久・藤堂日向】
¥1,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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