今も高い人気を誇るハン・ヒョジュにとって、20代前半の若さで人気時代劇の主役をやり通したことは大きな糧になった。それは、女優としても高い壁を乗り越えたことを意味していた。
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彼女は連続ドラマの主役を何度も経験しているが、それでも50回も続く時代劇の撮影は本当に苦労が多かったという。
「撮影期間が長くて体力的にきつかったのは確かですが、それはどのドラマでも同じだと思います。精神的に辛かったのは、1週間の中でいろんな出来事を次々に撮影したことです。たとえば、最初に生まれた子供が死んでしまったのに、すぐに次の王子を産むというシーンを撮りました。そういったことを立て続けに表現するのが大変でした」
それほど大変だったとはいえ、ハン・ヒョジュは『トンイ』というドラマを通して、女優としていろいろ助けてもらったそうだ。
「撮影は1年間でしたが、10年分くらいの経験をしたような気もします。その経験を通して、『少女から大人の女性になるというのはこういうことなのか』と感じました」
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強い影響力を持った女優
撮影を通して自身の成長を感じたハン・ヒョジュ。ヒロインのトンイになりきって、この女性の中に何を見いだしたのであろうか。
「トンイはまさに強い心を持って運命を変えていった女性です。とても尊い心を持っていましたし、正しい道を歩いていきました。私が演技をするにはすばらしすぎる人だと思いました。幸いに、このドラマの後には『トンイ』を題材にした漫画や小説、歴史的な事実を基にした本やドキュメンタリーが盛んに作られました。『本当にドラマの影響が大きいなあ』と実感しました。私も本屋さんに行って『トンイ』の本が上下2冊になって並んでいるのを見て、とても満ち足りた気持ちになりました」
『トンイ』が人気になったあと、多くの人がドラマのモデルになった歴史上の淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)のイメージをハン・ヒョジュと重ねたことだろう。彼女はそれだけの影響力を持っていたのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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