世界的ファッションデザイナーの栄光と転落を追うドキュメンタリー映画『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』よりコメントが到着した。
1995年ジバンシィ、1996年クリスチャン・ディオールと、世界的ブランドのデザイナーに抜擢された“ファッション界の革命児”ガリアーノ。しかし、2011年2月に差別的暴言を吐く動画が拡散し、ブランドから解雇され、全てを失った。
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ジョン・ガリアーノは本作への出演についても、様々な憶測が飛び交っている。だが、「おそらく一部の人は、言い訳をするために本作に参加したのだと思うでしょうが、実際はそうではありません」と語るガリアーノ。
続けて、「私がした過去の失言に、弁解の余地はない」とはっきりと断言する。また、なぜこのドキュメンタリーに参加することに同意したのかという問いには、「私が望んだことは、状況をもう少し明確にすることでした」と胸の内を明かしてくれた。
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さらに、本作が次世代のデザイナーやファッション業界に対して、変化を促すことを期待しているというガリアーノは、アルコール依存症を克服した自身の経験を踏まえてこのように語る。
「このドキュメンタリーが、若いクリエイターたちへの警告になればと思います。創作のために酒やドラッグを飲む必要があるという考え方はでたらめだということを理解してほしい。私は本当に、そういったものの影響下にあったときよりも、今の方がしっかりと仕事ができていると思います」。
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撮影期間の心境については、「監督や撮影チームは、できるだけ苦痛を伴わないように配慮してくれましたが、この経験は…とても不快でした。でも監督と私が心を通わせ、それを分かち合うことができたことに感謝しています」と素直な言葉で思いを語った。
名門美術学校での卒業制作が評価され、瞬く間に“天才デザイナー”の地位を確立していったガリアーノだが、名声と共にもたらされたのは年32回もの超人的な回数のショーと多大なプレッシャーに苛まれる日々だった。それでもなお、「燃え尽きた理由は仕事じゃない。すべてを話すよ」とカメラの前で宣言する彼の心の中で、一体何が起こっていたのか…。
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ケヴィン・マクドナルド監督は、ガリアーノの栄光の日々を映すとともに、精神科医やいまも心の傷が癒えないという事件の被害者にもカメラを向けている。謎に満ちた天才デザイナーの姿と事件の真実とは? ガリアーノ本人が全てを赤裸々にさらけ出す本作に注目が集まる。
『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』は9月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。