伊藤沙莉を主演がつとめる、現在放送中の連続テレビ小説「虎に翼」が来週6月3日(月)からは主人公・佐田寅子が裁判官を目指す、新たな展開を迎える。この度、寅子を演じる伊藤さんが第8週と第9週をふり返るインタビューが到着した。
本作は、日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、1人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー。困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を描く。
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第8週(36~40回)は、優三(仲野太賀)との子を授かるが妊娠を隠して働き、倒れてしまう寅子。仕事を辞め無事出産するも、優三には召集令状が届く。
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そして第9週(41~45回)では終戦後、これまでの後悔と秘密を全て打ち明けて直言(岡部たかし)が安らかに亡くなり、河原で「日本国憲法」の記事を見た寅子が立ち上がる。
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寅子にとってつらい出来事の連続ながら、愛する人との幸せを感じる瞬間も多くあった展開について、寅子の渦巻く感情を伊藤さんはどんな思いで演じていたのか。
ーー第8週は、伊藤さんから見てどんな週でしたか?
伊藤寅子にとっては理想や夢が打ち砕かれて、試練と挫折の連続。演じていてとてもつらかったです。
やっと弁護士になれたのに辞めることになったり、やっと恋をして相手を大事に思えるようになったところで戦争へ行ってしまったり。いろいろなものを得ると同時に、失っていく週でした。
1週目の第5回(4月5日放送)で、お母さんのはる(石田ゆり子)が予言のように「でも、(弁護士に)なれなかったときは?」「なれたとしても、うまくいかずその道を諦めることになったときは?」と寅子に問いかけていましたが、まさしくその通りになって。
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寅子としては一番悔しい展開だったと思います。つらいことも多かったですが、優三さん(仲野太賀)との愛が深まり、すごく幸せなときもありました。その幸せな時間があまりに短いという切なさも、物語としては好きなんですよね。
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ーー優三を演じる仲野太賀さんとの掛け合いはいかがでしたか。
伊藤ご本人にも何度伝えたか分かりませんが、本当に優三さん役が太賀さんでよかったと心から思いましたし、互いにそうした言葉を掛け合ううちに、より絆が深まりました。
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太賀さんはお芝居についていろんな提案をしてくれながら、私の考えを整理させてもくれて。特に第8週で寅子として演技が自然とできたのは、優三さんが太賀さんだったというのがとても大きかったです。改めて振り返ると、演じていてすごくいい時間でした。
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ーー第43回(5月29日放送)では、優三の死を隠していたことを直言がざんげする場面について
伊藤この週はもう、感情がぐちゃぐちゃで。このシーンでは、寅子の気持ちを整理したくて演出の方に相談したんです。なかでも「でも、お父さんだけだったよ……家族で女子部に行っていいって言ってくれたのは」というセリフを言うときは、寅子としてあふれてくる感情が、喜怒哀楽のどこに属しているのか分からなくなって。
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感情の焦点をどこにも合わせられなくなってしまったんです。そこで「答えなんか出そうと思わなくていいよ、もうぐちゃぐちゃのままでいい」とアドバイスをいただいて。その通りに、あえて特定の感情に焦点を定めずに演じたからこそ、違和感のない自然な表現ができたと感じています。
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ーーこのほかに、印象深かったシーンを教えてください。
伊藤第44回(5月30日放送)の、第1回(4月1日放送)につながる河原のシーン! 優三さんの幻影に「トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです」と改めて励まされて、それと同時に新しい日本国憲法を手にするという、終わりと始まりがリンクするところが物語の造りとしてもおもしろいと思いました。続く10週からも、楽しんでいただけたらうれしいです!
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2024年度前期 連続テレビ小説「虎に翼」は毎週月曜~土曜8時~、[再]12時45分~NHK 総合にて(※土曜日は1週間のふりかえり)、毎週月曜~金曜7時30分~BS BSP4Kにて放送中。