現代オーストリア映画をメインに、世界的にも評価の高いオーストリア映画の魅力を紹介する特集上映「オーストリア映画週間 2024―Our Very Eye 揺るぎなき視線」が、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて開催される。
ヨーロッパの中央に位置するオーストリア。“芸術の都”ウィーンを首都に抱くこの国は、クラシック音楽や絵画などの伝統的芸術の地として知られる一方、ミヒャエル・ハネケやウルリヒ・ザイドルに代表される、現代で最も果敢でアヴァンギャルドな映画作家や作品を脈々と生み出してきた歴史がある。
そういった映画作家たちは人間の情けなさや醜悪な部分にも透徹した視線を向け、独自の世界を創造してきた。
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今回のオーストリア映画週間2024では、90年代以降の「オーストリア・ニューウェーブ」的状況の申し子ともいえるジェシカ・ハウスナー(『リトル・ジョー』『ルルドの泉で』)がミア・ワシコウスカを主演に据えて撮り上げたダークスリラー『クラブゼロ』。
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ヴェロニカ・フランツ(『ロッジ 白い惨劇』『グッドナイト・マミー』)とゼヴリン・フィアラの共同監督によるオーストリアン・ホラー『デビルズ・バス』(仮)、ザイドル組の新人デュオによる『我来たり、我見たり、我勝利せり』など、現在の同国を代表する作家たちの最新作を上映。
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また世界中で高い評価を得るドキュメンタリー作家、ニコラウス・ゲイハルター(『人類遺産』『いのちの食べかた』)が世界中の大量ゴミ処理の現場を捉えた『無用物』や、ルート・ベッカーマンが移民の子どもたちが大部分を占める最前線の教育現場に3年間密着した『ウィーン10区、ファヴォリーテン』という、上質なドキュメンタリーも上映。
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加えて要注目の若手作家ミレーナ・チェルノフスキーの作品『ベアトリックス』、そしてアヴァンギャルド映画の文脈からエドガー・ホーネットシュレーガー監督作『ミダースの蟻』など、全て日本初公開の7作品が集結。
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上映作品の監督陣も来日し、上映時にトークショーやディスカッションも開催。来日ゲスト、関連イベントなどは後日発表される。
「オーストリア映画週間 2024―Our Very Eye 揺るぎなき視線」は6月29日(土)~7月5日(金)、シアター・イメージフォーラムにて開催。