劇場アニメ『屋根裏のラジャー』の製作報告会見が8月21日(月)、都内で行われ、寺田心がアニメ声優に初挑戦したことが発表された。収録は変声期直前の2022年夏に行われ、この日解禁された予告編について「自分の声にビックリ」と驚きの表情だった。
長編第1作『メアリと魔女の花』が世界150の国と地域で公開されたスタジオポノックの最新作。A・F・ハロルドによる児童文学「The Imaginary」(邦訳題「ぼくが消えないうちに」)を原作に、愛を失った少女の想像から生まれた“イマジナリ”の少年ラジャー(寺田)が、大切な人の未来と運命を懸けた“誰にも見えない戦い”に挑む感動ファンタジー超大作だ。
2021年秋に行われたオーディションで、ラジャー役を獲得した寺田さん。「“イマジナリ”という世界観やラジャーというキャラクターにすごく惹かれて、ほかの誰かじゃなくて、僕自身が演じたいと思った」そうで、「ラジャー役に決まったと聞いたときは、泣いちゃうくらいうれしかった。念願の役でした」と思い入れはひとしお。
ただ、コロナ禍の影響もあり、製作に遅れが生じ、公開時期が延期されることに。寺田さんの変声期が迫るなか、声の収録は「(変声期が)始まる直前で、終わる頃には、ちょっと変わっているかなと。そのまんま成長しているなという感じです」と回想。一部のセリフは、映像のない状態での“プレスコ”が行われたそうで、「毎日が発見ばかり。収録中は冒険しているようでしたし、ラジャーが僕の中に入ってきて、まるでラジャーが僕で、僕がラジャーでという不思議な感覚でした」と声を弾ませた。
自身の“イマジナリ”体験を問われると、幼い頃に買ってもらったというクマのぬいぐるみを挙げ「お仕事現場にもよく連れて行ったし、いないと不安な気持ちになった。必ず僕に話しかけてくれていたが、中学に入ってから、その子の声が聞こえなくなっちゃって…。でも、いまもそばで見守ってくれている」と話していた。
製作報告会見には主演の寺田をはじめ、共演する安藤サクラ、イッセー尾形、百瀬義行監督(『火垂るの墓』レイアウト・作画監督補、『もののけ姫』CG制作、『かぐや姫の物語』特任シーン設計、『二ノ国』監督)、西村義明プロデューサーが出席。鈴木梨央、仲里依紗、山田孝之、高畑淳子の出演も発表された。
【出演者/役名/役どころ】
●寺田心/ラジャー
少女アマンダの想像から生まれた“イマジナリ”。
●鈴木梨央/アマンダ
本屋の2階に暮らす、ラジャーを生み出した少女。
●安藤サクラ/リジー
アマンダの母。シャッフルアップ書店の店長。
●仲里依紗/エミリ
イマジナリの町でラジャーが出会う少女。
●山田孝之/ジンザン
ラジャーの前に現れる怪しげな猫。
●高畑淳子/ダウンビートおばあちゃん
田舎で暮らす、アマンダの祖母。
●イッセー尾形/ミスター・バンティング
ラジャーを付け狙う謎の男。
『屋根裏のラジャー』は2023年12月15日(金)から全国にて公開
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