《text:キャサリン/Catherine》
不慮の事故でハルク化してしまった検事のジェニファー。いとこであるブルース・バナーからハルクとしての生き方を教えられるが、ハルクの能力は使わず法曹界で生きていくと決意。そんな彼女の決意とは裏腹に能力を使わざるを得ない展開になり…。
全話の最後に派手に登場したジャミーラ・ジャミル演じるタイタニアについて深堀するエピソードと思いきや、ニュースとしてチラッと触れるのみで終わる潔さ。とはいえ、現実世界でタイタニアのTwitterやInstagramのアカウントをつくり、シー・ハルクの公式アカウントと絡むなど、ソーシャルメディアとのクロスオーバーを展開しているあたり、今後タイタニアがしっかり本筋に絡んでくることは必至。現実と作品世界のマルチバースみたいに感じられるプロモーションも非常に興味深い。その他にも、架空の雑誌の表紙を飾るシー・ハルクの画像も公式アカウントから配信されているのでぜひご覧頂きたい。
そして今回はなんといっても、予告でも登場していた懐かしのアボミネーションことエミル・ブロンスキーの登場!『インクレディブル・ハルク』から14年、すっかり還暦になったティム・ロスが特殊効果もなくそのまま登場したことに年月を感じどこかしんみりしてしまう。ハルク化したことで仕事をクビになってしまったジェニファーが、大手弁護士事務所からスーパーパワーを持つ人たち専任の弁護士としてスカウトされ、その最初の弁護がアボミネーション。いとこのブルースとの確執を気にしているジェニファーに、視聴者としては「とはいえ、アボミネーションと争ったのはエドワード・ノートンの方だし…」と感じずにはいられないが、そこもあっさり解決。マーク・ラファロが「自分は当時と完璧に違う人物になったからね。”文字通り”」といい、ジェニファーが第四の壁を破って視聴者に「ハハハ!」と、気持ちのこもらない笑いをしている演出に思わずニヤリとしてしまう。
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そんなMCUの大人の事情をさらりと解決しつつ、もう一つさらりと注目のクロスオーバーを示唆したのが、ドラマ開始5分~6分目のところでジェニファーが眺めているパソコンの画面! 右端のニュースヘッドラインに「金属の爪を持つ男がバーで喧嘩」「なぜ海から飛び出した巨大な像が存在するのか」と記載されている。前者は、ほぼ確実にウルヴァリンのことだろう。「ミズ・マーベル」でも最終話で主人公のカマラがミュータントであることが示唆されていたので、今後どこかでミュータントも参戦するだろう。後者は言わずもがな「エターナルズ」のあれだ(未見の方はぜひご覧頂きたい。)
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来週は予告通りおそらく『ドクター・ストレンジ』シリーズのウォンが登場するだろうし、『シャン・チー』との絡みもあるかもしれない。他にもすでに予告されている通りデアデビルとの共演も控えているはずだし、ブルースはどこか宇宙へいっているので、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『ソー』、『キャプテン・マーベル』との絡みもあるのかも? いずれにしても、すでに示唆されている以上の何かがないともはや視聴者も満足せずというフェーズでもあるので、期待せずにはいられない。
「シー・ハルク:ザ・アトーニー」毎週木曜日16時ディズニープラスにて独占配信中。
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