“ヒーローの日”前日に配信開始!
再始動するマーベル・スタジオ
マーベルヒーローが結集し、アイアンマン/トニー・スタークの死という大きすぎる犠牲を払いながらも勝利を手にした『アベンジャーズ/エンドゲーム』。ヒーローたちはその後、一体どうしているのか。本作「ワンダヴィジョン」をはじめ、続く「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(3月19日より日米同時配信)、「ロキ」(5月、日米同時配信)などのドラマシリーズでは、激戦の後のヒーローたちの新たな物語が描かれる。
中でも、ヒーローの日(1月16日)直前に配信開始となった「ワンダヴィジョン」は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で想像を絶する別れを経験したワンダとヴィジョンが、なぜか郊外で幸せそうな家庭を築いている…という不可思議な物語が展開。
さらに、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の『アントマン&ワスプ』からFBI捜査官ジミー・ウー、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』からジェーンの親友で助手のダーシー・ルイス、そして『キャプテン・マーベル』のマリア・ランボーの娘モニカが成人した姿で登場。『ドクター・ストレンジ』第2弾(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness/2022年公開)のストーリーとも繋がっていくという。
つまり、「ワンダヴィジョン」は単なるドラマシリーズではない、ということ。例えば、『スター・ウォーズ』シリーズ初の実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」最新シーズンに映画の“重要人物”が登場し世界中のファンを熱狂させたように、マーベル・スタジオ初のドラマシリーズとなる本作は、今後のMCUを語る上でも見逃せない1作となりそうだ。
ワンダとヴィジョン、
マーベル史上最もエモーショナルな変遷を持つカップル
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ワンダ・マキシモフ=スカーレット・ウィッチがMCUに初登場したのは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)のエンドロール。ソコヴィアにあるヒドラの研究施設にて、双子の弟ピエトロ=クイックシルバーとともにロキの杖に隠されていたマインド・ストーンから生み出され、テレキネシス(物体移動)とマインドコントロールの能力を持つ。
その力でアベンジャーズを脅かしたのが『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)。当初はアイアンマンことトニーに恨みを持ち、人類滅亡を企む人工知能・ウルトロンに加担してアベンジャーズに恐ろしい幻覚を見せて苦しめた。やがて地球が滅ぼされかねない状況を知ると、アベンジャーズの仲間となり、ホークアイ/クリント・バートンに背中を押される形で果敢に戦いに挑んでいく。
だが、激闘の最中にピエトロを亡くした際には、ワンダの感情の爆発とともに強大なパワーが解き放たれ、結果的には彼女の激しい怒りと悲しみが(アベンジャーズさえ苦戦した)ウルトロンを倒すことにもなった。
一方、ヴィジョンはアイアンマンをサポートしてきた人工知能J.A.R.V.I.S.(ジャービス)と、マインド・ストーン、ワカンダのヴィブラニウムと人間の合成細胞からなる究極のボディが融合して誕生した人造人間。その額にマインド・ストーンが埋め込まれている。
アベンジャーズに加わった2人は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で一気に心の距離を縮めることに。ワンダのパワーが発端となった事故を理由に彼女は隔離され、ヴィジョンに“監視”されるが、ワンダを元気づけるためにパプリカシュを作るシーンは同作の心温まる瞬間のひとつ。「私は私なのに」と苦悩するワンダに、自分の一部であるマインド・ストーンという未知のものを理解したいと話すヴィジョン。ヴィジョンは常に誠実で、純粋だ。同じストーンから“生まれた”2人が、結ばれるのは必然だった。
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だが、『インフィニティ・ウォー』では人目を忍んで愛を育んできたワンダとヴィジョンを、過酷な運命が襲う。サノスから全宇宙を守るためにはマインド・ストーンを破壊するしかない、と考えたヴィジョンが、その命をワンダに委ねる場面はMCU屈指の名シーン。ワンダが葛藤の末、自らヴィジョンの額のストーン、そしてヴィジョンそのものを破壊したのもつかの間、タイム・ストーンを持つサノスが時間を戻し、ヴィジョンの命とマインド・ストーンをあっけなく奪ってしまう。この悲運ともいうべき2人の恋には世界中が涙したはずだ。
“シットコム”スタイルでありミステリー!?
スカーレット・ウィッチの今後に注目
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そんな2人が、本作では郊外の街ウエストビューで、夢にまで見た“理想的”な結婚生活を手に入れている。ヴィジョン役ポール・ベタニーによれば、2人は「シットコムの世界で目覚める」というが、これまでの状況がシリアスだっただけにシットコム=シチュエーション・コメディとは、意外で斬新。
お馴染みのマーベル・スタジオのオープニングでMCUフェーズ4の幕開けを確信するも、そこから「奥さまは魔女」などの往年のシットコムやソープオペラにオマージュを捧げた作りは新しい驚き。ワンダとヴィジョンがかつてないほどラブラブなのに、2人の特殊能力が郊外の日常では浮いてしまい、笑いにつながる点も興味深い。
だが、そもそも『インフィニティ・ウォー』で命を落としたはずのヴィジョンが、なぜ生きている…? 予測不能、謎だらけの本作は1950年代から2000年代まで時代背景が移り変わることが、モノクロからカラーへと変化するビジュアルや2人のファッションやヘアスタイルなどからも見てとれる。
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さらに、ヴィジョンが人間の姿から急に本来の姿に戻ったり、画面が突然歪んだようになったりするほか、隣人アグネス(キャスリン・ハーン)やモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)の存在も気にかかる。明らかに“何かがおかしい”、見たままを信じることができない異様さに包まれているのだ。
過去にはアベンジャーズを窮地に追い込み、ヒーローとしても、ひとりの若者としても最も揺れ動いてきたワンダことスカーレット・ウィッチは一体、何を目にしているのか。彼女次第で、今後のマーベル・スタジオの世界観がガラリと変わってしまうかもしれない。
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」を観る
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」はディズニープラスで配信中。
(C)2021 Marvel
<提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン>