最新作『ソウルフル・ワールド』では“生まれる前の魂<ソウル>の世界”を描く。『モンスターズ・インク』や『インサイド・ヘッド』など名作を生み出してきたピート・ドクター監督は、本作に“大変な今だからこそ日常にある幸せに目を向けてほしい”という想いを込めたことを明かした。
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環境が激変し、“人生”について考えることが多くなったこの2020 年。そんな時代だからこそドクター監督が世に送り出すのは、「本当にアニメーションを作るために生まれてきたのだろうか?」と自分自身の“きらめき”に疑問を持ったときに生まれた物語だ。
ドクター監督自身、子どもが生まれた時や大切な人と一緒に過ごせている些細な毎日が“幸せ”だと気づいたそうで「夢を叶えた人や叶えられなかった人、関係なく、自身の人生に誇りを持ってほしい」ということを観る人に伝えたかったという。
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実は、そのメッセージはピクサーで働くアーティストたちにも伝えていることの一つで、とくに共同監督ケンプ・パワーズは、ドクター監督の思いと自分の経験を重ねて監督と共に映画を制作していった。彼は元々ジャーナリストとして活躍していたが、自分の人生を見つめなおしたときに、物語を語るという情熱が忘れられず、ジャーナリストの職を辞めて夢を追い、ピクサーで働くことに決めたのだ。
パワーズは「ピクサーは僕にとって物語を語る巨匠的存在だった。そんなピクサーの好きなところは積極的に黒人のアーティストを増やしているところ。僕は最初ライターとして招かれたのにも関わらず、共同監督にまで選んでくれたんだ。この映画を観た人が自分の人生に誇りを感じてくれると嬉しいな」と、誇りを持って仕事ができていることを明かした。
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一方、ドクター監督は本作について、「僕は個人的に感じたことをストーリーにしているんだけど、感じた想いというのは世界で共通していると思うんだ。外で起こっていることが全てではなく自分がどう感じたかが大事で、人の内側にあるものを本作でも語っている。本作が観る人の心に響くといいなと思ってるよ」と明かしている。
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そんな彼が監督を務める本作では、生まれる前に「どんな自分になるか」を決める “魂<ソウル>の世界”が描かれる。ジャズ・ミュージシャンを夢見る主人公のジョーが生きる目的をみつけられない魂<ソウル>の22番に「人生には楽しいことがたくさんある」と、自分の人生を輝かせてくれる“きらめき”を持つことの素晴らしさ伝えようとする物語となっている。
『ソウルフル・ワールド』はDisney+にて配信中。