豪華ゲストとの演技対決に思わず身震い……!
機動捜査隊の名コンビを描いた「MIU404」
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24時間というタイムリミットの中で犯人逮捕に全力を懸ける初動捜査隊を舞台に、警察ドラマ史に残る新たな名コンビが誕生! 行動力と運動神経はピカイチだが刑事の常識に欠ける伊吹(綾野剛)と、常に先回り思考で道理を見極めていく志摩(星野源)。真逆とも言える性格の二人が、時に衝突しながらもあうんの呼吸で犯人を追いかけていく姿が何ともシビれる一作でしたね。
また、彼らが追う事件のキーマンとして毎話登場するゲスト勢がとにかく豪華でビックリ! 2018年1月期に同枠で放送された「アンナチュラル」とのコラボレーションや、「King Gnu」井口理さんのドラマデビューなど、毎回あっと言わせる仕掛けが散りばめられていました。
中でも、物語の鍵を握るヒール役として登場した菅田将暉さんとの演技対決は圧巻で、息つく暇のないめくるめく展開――裏の裏をかいた犯人追跡劇は、非常に見応えがありましたね。
我々の安全を一番近い場所から見守ってくれている機動捜査隊というお仕事、その裏側を垣間見ることができる学びあるドラマだったと言えるでしょう。
踏ん張って生きているすべての人へ――
「私の家政夫ナギサさん」が送る愛あるメッセージ
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働き盛りで仕事に一直線、しかしながら家事と恋には不器用な主人公・メイ(多部未華子)が、ひょんなことからおじさん家政夫(大森南朋)を雇うことになるハートフルラブコメディ。「できるなら、家事より仕事に時間を使いたい」「恋愛にパワーを使う余裕がない」といったリアルな声を余すことなく体言してくれるメイの姿に、共感した視聴者も多かったのではないでしょうか。
本作ではタイトルの通り、ナギサさんが担う家政婦という職業の効率的家事代行サービス導入の魅力が余すことなく描かれているほか、メイが勤める天保山製薬のMR=医薬情報担当者という職業についても丁寧に描かれていましたね。
病に悩む患者さんたちを薬の力で救うべく、病院と医薬品卸会社の間を日に何度も行ったり来たり…。他社と競合した薬については、プレゼン資料を念入りに作成し、時に講演会の開催なども行う多忙ぶり。
彼ら同様、毎日を踏ん張って生きているすべての視聴者へ向け、ナギサさんが「人を頼ってもいいんだよ」と愛ある笑顔で包んでくれるとても温かな作品となりました。
薬が与える、身体そして心への大きな影響とは?
いまこそ見るべき「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」
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薬といえば、調剤薬局ではなく、病院内で働く薬剤師にスポットを当てた新しい視点の医療ドラマ「アンサング・シンデレラ」も忘れては語れません。石原さとみさん演じる葵は、医師のように頼られず、看護師のように親しまれなくとも、患者が“当たり前の毎日”を過ごすため、些細な声に耳を傾けて院内を駆け回る病院薬剤師――医薬品全般における豊富な知識を生かし、医師の処方箋に基づく調剤や服薬指導、医薬品の管理・販売を行うのが仕事です。
わずかな行き違いが大きな事故を生む治療の現場において、医師の出す処方箋に唯一異議を唱えることができる最後の砦ともいえる薬剤師の押印。病を患い、心細く不安を覚えた患者ひとりひとりの心に寄り添う真摯な姿は、コロナ禍のいまだからこそ、改めて胸に刻むべき人間の力、心の傷への処方箋というべき一作ではないでしょうか。
以上、夏の名作“お仕事ドラマ”3選でした。高まる続編への期待と合わせて、是非チェックしてみてくださいね。