■蒼井さん「新しい一歩を踏み出す時期にこういう賞をいただけたことは光栄」
TAMA映画賞は、明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するもの。
蒼井さんは『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』において、多岐にわたる役柄を演じ分け、観客の脳裏に鮮烈に焼き付けたという評価で最優秀女優賞を受賞した。どの作品も非常に勉強になった現場だと語った蒼井さんだったが、なかでも「塚本晋也監督とご一緒した『斬、』の現場では、ものづくりの美しさを身体の底から体感させてただきました」とかけがえのない経験ができたことに感謝を述べていた。
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さらに蒼井さんは、塚本監督から得たことを胸に映画作りに励んでいくことを誓うと「新しい一歩を踏み出す時期に、こういう賞をいただけたことは非常に光栄でした。ある種の叱咤激励だと思って、これからも真面目に取り組みたいです」と今後の更なる飛躍を誓っていた。
また『長いお別れ』で共演した名優・山崎努さんとの現場も味わい深いものであったと述べると「ご共演してまた好きになっちゃいました」と笑顔を見せる。続けて「画面に映らないようなシーンでも、アドリブを入れるんです。あれだけのキャリアを持つ方でも、常に挑戦する姿を目の当たりにすると、自分ももっと大胆に挑戦しなければいけないなと学ばせていただきました」と語っていた。
■前田さん「映画の世界には夢が詰まっている」
一方の前田さんは、主演を務めた『旅のおわり世界のはじまり』で演じた女性像が、前田さんの女優としての資質・魅力にシンクロして、稀有な存在感を放ったということでの受賞となった。2019年を振り返った前田さんは「これまでで一番映画に参加させていただいた年」と定義づけると「やっぱり映画の世界は夢が詰まっていると感じました。やればやるほどワクワクするんです」としみじみ語る。
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さらに前田さんは「映画の世界にいる方々のひさむきさが尊敬できるんです」と述べると「まだどういうペースでやっていけるのかは決めてはいませんが、またガッツリと映画の世界に携われる日がくるといいなと思っています」と未来に思いを馳せると「これからもしっかりと毎日ひたむきに過ごしていきたいです」と抱負を語っていた。
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第11回TAMA映画賞受賞作品、受賞者
<<最優秀作品賞>>
●『嵐電』 (鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同)
●『長いお別れ』(中野量太監督、及びスタッフ・キャスト一同)
<<特別賞>>
●新海誠監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『天気の子』)
●藤井道人監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『新聞記者』)
<<最優秀男優賞>>
●山崎努 (『長いお別れ』)
●井浦新 (『嵐電』『こはく』『赤い雪 Red Snow』『止められるか、俺たちを』『宮本から君へ』ほか)
<<最優秀女優賞>>
●蒼井優 (『長いお別れ』『宮本から君へ』『斬、』『ある船頭の話』『海獣の子供』)
●前田敦子 (『旅のおわり世界のはじまり』『葬式の名人』『町田くんの世界』ほか)
<<最優秀新進監督賞>>
●山戸結希監督 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『21世紀の女の子』)
●奥山大史監督 (『僕はイエス様が嫌い』)
<<最優秀新進男優賞>>
●成田凌 (『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』『人間失格 太宰治と3人の女』『翔んで埼玉』ほか)
●清水尋也 (『ホットギミック ガールミーツボーイ』『パラレルワールド・ラブストーリー』『貞子』)
<<最優秀新進女優賞>>
●岸井ゆきの (『愛がなんだ』『ここは退屈迎えに来て』『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」Season風』)
●シム・ウンギョン (『新聞記者』)