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世界三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)や東京国際映画祭など、大小全て数えればキリがないほど世界には数多くの映画祭が存在する。ホラーやSFに強い、アニメーションに特化など、それぞれに特徴があり、世界中から各コンセプトに沿った映画作品が集まるのが映画祭の面白いところ。
中でもアメリカ・ユタ州で毎年1月中旬に開かれるサンダンス映画祭は、1978年より続く、世界中の新人監督がこぞって参加する独立系映画を対象にした映画祭。あのクエンティン・タランティーノやジム・ジャームッシュを一躍有名にした実績があり、世界中の映画会社が注目している。
審査員が決定する「グランプリ」のほかに、オーディエンス投票によって決められる「観客賞」があり、この部門では次世代を担う若き監督たちの傑作が多数選出されてきた。『THE GUILTY/ギルティ』も2018年に受賞したサンダンス映画祭「観客賞」歴代受賞作品に注目した。
■『セックスと嘘とビデオテープ』(1989)スティーブン・ソダーバーグ
『オーシャンズ』シリーズを監督!
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スティーブン・ソダーバーグ監督の長編デビュー作。アメリカ南部の町を舞台に、一見、社会的に安定した理想的なカップルの裏側に隠れた真実を描いたドラマ。当時26歳で観客賞を受賞した後、史上最年少でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞監督となり、2000年は『エリン・ブロコビッチ』と『トラフィック』でアカデミー賞監督賞にWノミネートされ、後者で受賞。その後、あの世界的エンターテインメント超大作『オーシャンズ』シリーズの監督に。まさにソダーバーグにとって登竜門となったのが本映画祭だった。
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■『フルートベール駅で』(2014)ライアン・クーグラー『ブラックパンサー』の監督!

ライアン・クーグラー監督は当時28歳。2013年のサンダンス映画祭にてグランプリと観客賞をW受賞した。2009年に実際に起きた警察官による22歳の黒人青年射殺事件を基にした本作は、クーグラー監督の長編初監督作。この後に、本作のマイケル・B・ジョーダンを主演に『クリード チャンプを継ぐ男』(15)を手掛け、さらに2018年には世界的大ヒットを記録し、映画賞レースでも注目されているマーベル作品『ブラックパンサー』に抜擢。まもなく『クリード 炎の宿敵』公開も控える。

■『セッション』(2015)デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』の監督!
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デイミアン・チャゼル監督は当時30歳。2014年の観客賞を受賞した『セッション』(日本公開は2015年)はアメリカ最高と言われる音楽学校を舞台に、ジャズ・ドラマーを目指す19歳の青年(マイルズ・テラー)と、狂気じみた指導を続けるスパルタ教師(J・K・シモンズ)との音楽を通したぶつかり合いを描いた。そして彼は、のちに同じく音楽を主軸にした映画『ラ・ラ・ランド』を世に送り出し、日本でも大ヒット。最年少のオスカー監督となった。最新作『ファースト・マン』では一転、人類初の月面着陸を果たしたニール・アームストロングの人生を描く。

■『search/サーチ』(2018)アニーシュ・チャガンティ、2018年に大ヒット!
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アニーシュ・チャガンティ監督は現在27歳。2018年の観客賞を受賞した本作は、主人公の父親(ジョン・チョー)が誘拐された娘を探し出すために娘のSNSや通話記録を辿り、事件の真相を紐解いていく。全編がPC画面上で展開する、という斬新な設定は観客を驚かせた。彼は本作の公開よりも前に、全編をグーグル・グラスで撮影したショート・ムービー『SEEDS』(原題)を手掛け、動画公開からわずか24時間で100万回再生を記録した実績もある。今回の『search/サーチ』の大ヒットを受け、次回作には大きな期待が集まっている。
■『THE GUILTY/ギルティ』(2018)ハリウッドリメイクも決定!グスタフ・モーラー
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デンマークの新鋭グスタフ・モーラー監督は現在30歳。2018年に同じく観客賞を受賞した(『search/サーチ』は<NEXT部門>、本作は<ワールド・シネマ・ドラマ部門>)。真夜中の緊急指令室を舞台に、“電話からの音と声”だけで誘拐事件を解決するという新感覚サスペンス。歴代受賞作品と同様に長編初監督でありながらも、その緻密な脚本と大胆な演出は早くも世界中で絶賛され、すでに人気俳優ジェイク・ギレンホール主演でハリウッドリメイクも決定。SNS上ではいまから多くの期待の声が寄せられている。
まだ見ぬ若き才能たちを発掘できる場でもあるサンダンス映画祭に注目しておけば、次世代の大物監督をひと足先に知ることができるかも!? この映画祭の受賞作品は絶対に見逃せない!
『THE GUILTY/ギルティ』は2月22日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。