
優秀助演女優賞には広瀬さんのほか、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の尾野真千子、『探偵はBARにいる3』の北川景子、『家族はつらいよ2』の夏川結衣、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の薬師丸ひろ子と、新旧実力派女優陣がそろい踏みとなる中、最年少の広瀬さんが受賞の快挙を成し遂げた。
『三度目の殺人』は『そして父になる』『海街dairy』などで家族を描き、日本アカデミー賞を始め、国内外の賞を受賞してきた是枝裕和監督が、舞台を法廷に移して挑んだ心理サスペンス。広瀬さんは是枝監督と2度目のタッグを組み、劇中、被害者の娘で事件のカギを握る、脚の不自由な高校生役を強く演じた。

『海街dairy』をふり返って、広瀬さんは「前回、台本をいただかないでやったので、今回はいただきながらの撮影なので、ちょっと恥ずかしい気持ちになりました。今日やるシーンを知っている自分が恥ずかしかったです」と気恥ずかしそうに語った。是枝監督は「この間に、すごくいろいろな監督たちといい仕事をして、キャリアを積んで戻ってきた。一緒に仕事ができて、すごく肝が据わったというか、大きく育っているなと。ついていくのに精いっぱいでした」と、絶大なる信頼を寄せ、広瀬さんを讃えた。

受賞の発表があった後、一瞬きょとんとした表情を見せた広瀬さんは壇上に上がると、プレゼンターの妻夫木聡からブロンズ像を受け取ると、ようやく笑みを見せた。「本当にありがとうございます。何をしゃべればいいか、わからないんですけど…」と言葉をつまらせるも、「やっぱり一番こみあがってくるのはうれしい、です。(是枝)監督には、いつも見たことのない景色をたくさん見せていただくので、これからも少しずつでも恩返しができるように」ときっぱりと言い切った。そして、「自分が参加させていただいた作品に、少しでも力になるような役者さんになれるように、これからも頑張ります」と真摯に語った。