過去ドラマをふり返ってみても、“冬彦さん”の通称で話題をさらった「ずっとあなたが好きだった」の佐野史郎さんや「ラスト・フレンズ」錦戸亮さん、最近ですと「あなたのことはそれほど」の東出昌大さんなど、愛情表現が高圧的過ぎる男性ほど記憶に鮮明に残る傾向に…。そこで本日は、ドラマニアな筆者が注目する今クール注目の上から目線で“狂気的男子”3人をご紹介! 怖いと震えながらも彼らの動向から目が離せない…その理由と魅力を考察していきましょう。
■1人目:新田真剣佑演じるイケメン御曹司・並樹尊氏/「トドメの接吻」
山崎賢人さん演じる主人公・堂島旺太郎が、死のキスにより7日間のタイムループを繰り返す邪道ラブストーリー「トドメの接吻」。金と権力のためなら手段を選ばない旺太郎――彼がタイムリープする度、その余波で御曹司・並樹尊氏(新田真剣佑)の人生は狂い始め…。物語の序盤では、容姿端麗で性格も良く、周りから慕われる完璧紳士だった尊氏。しかしながら、立場が劣勢になると共に彼の心に潜む“闇”が明らかになっていきます。回を追う毎に舌打ちの数が増え、時に人の命を奪ってでも伸し上がろうと冷徹さを増していく姿に思わずゾクッ!
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並樹家の養子となって以降、経済面では何不自由なく過ごしてきた尊氏ですが、どんなときも妹・美尊(新木優子)の盾でしない…という劣等感がよぎります。常に周りからの視線に怯え、愛を疑いながら生きてきた彼の孤独。「自分しか信じることができない」からこそ、歯向かう人間は徹底的に排除していくしかなかったのかもしれません。
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威圧的なのにどこか寂しそう――尊氏の真っ直ぐな瞳から目が離せないというそこのあなた! すでに彼の術中にハマっていると言えるでしょう。
■2人目:中村倫也演じる完璧主義の夫・井筒渡/「ホリデイラブ」
パートナーの浮気を契機に、絆を試される2つの夫婦を描いた異色の不倫ドラマ「ホリデイラブ」。仲里依紗さん演じる主人公・杏寿と同じ傷を負った井筒渡(中村倫也)――独占欲が強く完璧主義なサレ夫は、妻に裏切られたという事実を受け入れることができず、モノにヒトに…手当たり次第に怒りをぶつけていきます。
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「私の何がダメだったんだろう?」自分を責める杏寿とは反対に、「自分には非がないんだ」と徹底的に証明したがる渡。その高圧的な態度は浮気前の夫婦生活にも表れていたようで…外食時、レディファーストなど一切無視して真っ先にソファー席に座る亭主関白ぶりが非常に印象的でしたね。
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本当は誰よりも妻を想い愛しているはずなのに、相手が同じ気持ちでいてくれているかどうか不安で、束縛という手段を選ぶことしかできない…実に惜しい! 勿体ないタイプ。愛情の裏返しで出てしまう威圧感――本作に登場する妻(松本まりか)は根っからのお姫様タイプなので反発し合ってしまったようですが、「重たい愛情ウェルカム」「天邪鬼でかわいい」と思える大人の女性なら、そのもどかしさが案外癖になるかも…?
■3人目:向井理演じる究極のドS上司・星名漣/「きみが心に棲みついた」
最後に、今クール最上級のドSぶりを発揮してくれているこの人を忘れてはいけません。現代の“恋愛あるある”が存分に詰まった三角関係ドラマ「きみが心に棲みついた」に登場する星名漣(向井理)です。色のない瞳…口の端だけで微笑みかける姿は、まさにホラー(笑)。主人公・今日子(吉岡里帆)の大学時代の恋人でもある星名は、ソフトな笑顔で人々の信頼を集める反面、彼らの心理を都合良く操る天才でもあるから厄介なんですよ~。
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「私、星名さんのためだけに生きます」自分に依存していたはずの今日子が、いつの間にかほかの男性に好意を寄せていたと知り――不服の展開に、星名が下した制裁がとにかく恐ろしい。今日子の周りの人間を得意の心理作戦であざとく動かし、彼女を孤立させ、「だからお前には、俺しかいないんだ」と恐怖観念を植え付けていく手際の良さに脱帽です。有無を言わせぬ気迫、彼の自信満々な態度につい「仰る通り」とうなだれてしまう気持ち…わかる気がしますよね!
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そんな彼がふと見せる弱気な表情――過去に秘められたトラウマとは如何に? 陰のある男性に惹かれがちという女性の心理を絶妙に突いたキャラクター・星名の今後の動きに、是非注目してご覧ください。
以上、いかがでしたか?
冬ドラマもいよいよ佳境に突入。最終回に向け、彼ら“上から目線男子”の成長・進化を一緒に見守っていきましょう。