佐藤浩市と香取慎吾(SMAP)がタッグを組むことで話題の映画『人類資金』。このほど、日本人俳優以外に、『バッファロー'66』や『 ブラウン・バニー』などで絶大な人気を誇る個性派俳優ヴィンセント・ギャロが本作で日本映画初出演を果たしていることが明らかとなった。金融ブローカーから“M資金”詐欺を繰り返して生きてきた男・真舟雄一の下に、ある日、“M”と名乗る謎の男とその腹心の部下・石優樹が現れる。彼らは真舟に“M資金”は本当に存在しており、それを一緒に盗み出して欲しい、と話を持ちかける。その金額は10兆円、報酬は50億。戸惑う真舟だったが、多額の報酬と「M資金の秘密を教える」という話に興味を持ち、計画に乗ることに。やがて、真舟たちはアメリカ、ロシアなど全世界を相手に前代未聞のマネーゲームによるプランを考え出すのだが…。本作でヴィンセントが演じるのは、佐藤さん演じる真舟らを追い詰めるニューヨーク投資銀行員ハロルド・マーカス。今回到着したビジュアルからも分かる通り、“悪”の香りを漂わせる男だ。佐藤さんに香取さん、森山未來、観月ありさら日本屈指の俳優陣との競演とがっぷり4つの共演となったが、時にアドリブ全開で、たっぷり11分間に及ぶ長尺のワンカットを演じ切り、その緊張感と立ち振る舞いに現場にいたスタッフ・キャストを魅了した。本作のメガホンを握った阪本順治監督からは、ヴィンセントの起用について「ぜひ参加して貰いたいと思ったのは、彼の監督作品を観て、彼本人を想像したとき、純粋ゆえに異端、強い愛着と拒絶、攻撃と自虐、建設と破壊…相反するものをいくつも自身の中に抱え、常に本当の居場所を求めて彷徨う、そんなイメージが浮かび、それが役のハロルドの孤立感と重なり合ったからです」とその複雑な人間性に惹かれてのことだったとか。そんな“複雑性”を求められながらも、見事に役を演じきったヴィンセントは撮影前にこんな言葉を放ったそうだ。「この脚本に書かれていることは完璧に理解できる」。まさに彼のための役、彼でなければ…そう思わせてくれるキャラクターに仕上がっていることだろう。『人類資金』は10月19日(土)より全国にて公開。