ヒース・レジャーの突然の死に、映画界には大きな衝撃が走った。元婚約者で、ヒースとの間に娘をもうけたミシェル・ウィリアムズは映画『Mammoth』(原題)を撮影中のスウェーデンから娘を連れて急遽帰国したが、その表情は痛々しいまでに憔悴しきっていた。ユタ州で開催中のサンダンス映画祭に参加していたナオミ・ワッツは元恋人の訃報を受けて、その後の予定をキャンセルし、映画祭から引き揚げた。ヒースがオスカー主演男優賞候補となった『ブロークバック・マウンテン』のアン・リー監督は、最新作『ラスト、コーション』のジャパン・プレミアで来日し、空港から都内に向かう車内で訃報を知ったという。「ヒースとの仕事は私の人生における最も純粋な喜びの1つでした。彼の死に胸が張り裂ける思いです」と悲しみを語った。先週末までロンドンでテリー・ギリアム監督の『Imaginarium of Doctor Parnassus』(原題)を撮影していたが、実はまだ撮り残しの部分がたくさん残っており、来週から3月上旬までカナダのバンクーバーでスタジオ撮影を行う予定だった。現時点でスケジュールは白紙状態。代役を立てて撮影を続行するか、製作中止にするかを検討中だという。同作でタイトル・ロールのパルナッサス博士を演じるクリストファー・プラマーは米エンターテインメント・ウィークリー誌上で、ヒースの死について自殺の可能性は「考えられない」とコメント。「不眠には悩まされていたが、彼は撮影を楽しんでいたし、やる気に満ちていた。バンクーバー行きだって楽しみにしていたんだ」と言う。「テリー(・ギリアム)とは昨日話をしたが、私たち2人とも、ショック状態だった。特に彼はね…。信じられないことだよ」。俳優としてはもちろん、監督志望でもあったヒースの才能を高く評価していたギリアムは悲嘆に暮れており、ヒースについても、映画の今後の成り行きについても現時点で一切のコメントを出していない。写真は『ダークナイト(原題)』のヒース。1989年の『バットマン』でジャック・ニコルソンが演じたジョーカーを演じている。© AFLO
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