日本でも大ヒットを記録したドキュメンタリー映画『エトワール』で、パリ・オペラ座の舞台裏にカメラを向けたニルス・タヴェルニエ。そんな彼が監督を務めた新作『オーロラ』は、バレエ映画の新境地とも言える異色の作品だ。ある王国の王女オーロラを中心にしたフィクションの物語を展開させながら、華麗なダンスシーンをふんだんに盛り込む。この大胆な試みの実現に一役買ったのが、パリ・オペラ座のエトワールとして絶大な人気を集めるトップダンサー、ニコラ・ル・リッシュだ。「この映画には独特のトーンがあるんだ。夢幻的なお伽話のようでもあるし、ダンスをフィーチャーした作品でもある。しかも、それが1本の映画として成立し、ひとつの魅惑的なオブジェになっている。物語が展開していくリズムも独特で、まるでロマンティックバレエのようなんだ。そういったところが『オーロラ』の魅力だし、僕自身が惹かれたポイントでもあるね」
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