いまここにある風景
カナダ人カメラマン、エドワード・バーティンスキーが中国に着目した理由──それは“規模の大きさ”。何も中国だけが特別なわけじゃなく、単にほかの国と同じことをしただけ。それでも、その国の大きさ故にひどく浮いてしまうのだ。そこでバーティンスキー氏の写真を基にその大きさを検証してみよう。
中国 中国・福建省の工場 中国・揚子江 三峡ダムプロジェクト 中国・浙江省 電子機器のゴミの隣に佇む老女 中国・上海 宝鋼集団公司<バオスティール> Edward Burtynsky
『いま ここにある風景』の5大チェックポイント
  • POINT 01

  • 驚異的なオープニングシーン

    オープニングで映される工場内の横移動ショットを見ていると、思わず「いつまで続くのだろう?」と思ってしまう。ここで映されているのはアイロン工場の内部。実際は8分間だが、次のシーンに移る頃には、その時間の長さそのものよりも、それだけ長く映せるほど巨大な工場であることに驚いてしまう。

  • POINT 02

  • とにかく大きい三峡ダム

    高さ180メートル、幅2.5キロ、総貯水量393億立方メートル。日本最大の奥只見ダムの約37倍、日本にある全てのダムの貯水総量と比べても2倍という大きさなのだ。電力不足の中国において重要な供給源となる。そもそも建設プランが立てられたのは1919年に遡る。完成は2009年。実に90年もの長きにわたる事業となった。

  • POINT 03

  • 増え続けるE-wasteと暮らす人々

    使用済みの家電製品、パソコン、携帯電話など、中国に集められているE-wasteの多くが欧米、日本、韓国などが発生国。欧州環境庁の発表によると、E-wasteの量はほかの都市のゴミの約3倍の速さで増加しており、まもなく4,000万トンに達すると考えられている。その70%が中国に、残りのほとんどがインドとアフリカに廃棄されていると言われている。

  • POINT 04

  • 石油か? 石炭か? 特殊なエネルギー・フットプリント

    中国が石油に頼るようになったのはつい最近。それまでは石炭が主要な燃料として活躍していた。そうした事情から中国は特殊なエネルギー・フットプリントを持つと言われている。そのエネルギーとは、化石燃料(石炭・石油・天然ガス)、バイオマス(薪・木炭)、原子力、水力の4タイプ。

  • POINT 05

  • 20年間の活動

    たとえ環境問題に熱心でなくとも、地球という惑星の未来について考えさせられてしまう風景の写真を20年に渡り撮り続けているエドワード・バーティンスキー。中国のみならず母国であるカナダを流れる銅で汚染され真っ赤になった川、バングラディシュの船舶解体海岸など、世界各国を巡っている。

バーティンスキーの次なるターゲットはズバリ「石油」。
中国よりもさらに大きい、“世界=地球”に焦点が当たりそうだ。
“良いとか悪いとかの問題じゃない。新しい発想が必要なんだ”
そう言う彼の映し出す風景は壮大であるが故に醜いのかもしれない。
中国・福建省の工場
中国・揚子江 三峡ダムプロジェクト
中国・浙江省 電子機器のゴミの隣に佇む老女
中国・上海 宝鋼集団公司<バオスティール>
Edward Burtynsky

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映画作品情報

いま ここにある風景

『いま ここにある風景』場面写真

監督 ジェニファー・バイチウォル
俳優 エドワード・バーティンスキー

配給:カフェグルーヴ、ムヴィオラ
2008年7月12日東京都写真美術館ホールにて公開

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