デンマークの郊外で暮らすエマは、地元のサッカークラブで活躍する11歳の女の子。幸せな家庭で充実した日々を送っていた。ところがある日突然、両親から離婚すると告げられたことで彼女の日常が一変する。しかも離婚の理由は「パパが女性として生きていきたい」だった…。ホルモン治療によって日に日に女性らしくなるパパのトマスが、やがて性別適合手術を受けるという現実をエマは受け入れられず、ひとり思い悩んで寂しさを募らせ、時にはやるせない苛立ちを爆発させる…。「大嫌い。パパなんか死んじゃえ!」。そう叫びながらも、本当はパパのことが大好きなエマが、幾田の葛藤の果てに気づいた自分の気持ちとは――。
マルー・ライマン