どんな時代、どんな民族も、大人は子供に未来を託してきた。受難が続くチベットも例外ではない。「しっかり勉強するんだよ」と母親に背中を押され、この映画の主人公・オロがチベットから亡命したのは6歳のとき。いまはインド北部の町・ダラムサラで、チベット亡命政府が運営する“チベット子ども村”に寄宿し、学んでいる。「なぜ母は僕を異国へ旅立たせたのか」。自力でその答えを探し求めるオロの姿を一台のカメラが撮影し続けた。
岩佐寿弥