東京の郊外で、夫亡きあと小さな薬局を営み一人娘の小春(蒼井優)を育ててきた吟子(吉永小百合)。小春の結婚式の日突然、音信不通だった弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が現れ、酒に酔って披露宴を台無しにしてしまう。激怒する身内の中、ただ一人弟をかばったのは吟子だけだったが、後日、ある出来事がきっかけで、吟子は鉄郎に絶縁を言い渡してしまう。肩を落として出ていく鉄郎の背中に不吉な予感を覚える吟子だったのだが…。戦後の昭和に生まれ育った姉弟の固い絆と、バブル景気の直前に生まれたひとり娘の結婚を通して、日本の家族の姿を映し出した、山田洋次監督10年ぶりの現代劇。
山田洋次