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【特集】『ゴールド・ボーイ』 岡田将生が“冷酷な殺人鬼”に―卓越した演技力で体現「どこまで非道になれるか」突き詰めた役作り

中国の大ヒットドラマにもなったサスペンス小説を、『デスノート』の金子修介監督が映画化した『ゴールド・ボーイ』が3月8日(金)より全国にて公開となる。本作で血も涙もない殺人鬼を鋭い眼差しで演じた岡田将生のインタビューも併せ、作品の魅力を紹介する。

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岡田将生/Photo:You Ishii
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  • 『ゴールド・ボーイ』Ⓒ2024 GOLD BOY
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  • 岡田将生/Photo:You Ishii

中国の大ヒットドラマにもなったサスペンス小説「坏小孩(邦題:悪童たち)」 を、『デスノート』の金子修介監督が映画化した『ゴールド・ボーイ』が3月8日(金)より全国にて公開となる。

完全犯罪を成し遂げたはずの殺人犯と、彼の犯行を目撃してしまった少年たち。それぞれの“幸せ”のため、互いを揺さぶっていく両者の頭脳戦の行方は…? 血も涙もない殺人鬼を鋭い眼差しで演じた岡田将生のインタビューも併せ、作品の魅力を紹介する。



我が道を突き進む殺人鬼を怪演!
岡田将生の圧倒的な存在感


アカデミー賞国際長編映画賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』から大人気シリーズ「ゆとりですがなにか」まで、シリアスな人間ドラマにエッジのきいたコメディにと、さまざまなタイプの作品で存在感を放ってきた岡田将生。10代の頃にまとっていた無垢な雰囲気は、年齢を重ねて色気の漂うものに。卓越した演技力も備わり、演じる役柄の幅は年々広がっている。角度によって温かくも冷たくも見える美しい顔立ちもあってか、人間味の中に複雑さを忍ばせることも得意とするところ。

今回は、冷酷すぎる殺人鬼に命を吹き込んでいる。高慢な大学生を演じた『悪人』や衝動的な若手俳優を演じた『ドライブ・マイ・カー』など、難のある人物にも大いにはまる岡田さんだが、冷淡に人を殺め、悪びれもせず我が道を突き進む殺人鬼・東昇は多岐にわたるフィルモグラフィーの中でもとりわけ目を引くものになるはず。

何を考えているのか分からない表情の奥にくすぶる激情を感じさせたり、計算高さの裏に人間臭い綻びを見せたり。徹底した“悪の担い手”として自分に関わる人間の運命を狂わせていく東昇に、見る者も知らず知らずのうちに翻弄されていく。そんな彼が悪の歩みを止める日は訪れるのか、かつてない岡田将生の怪演ともども行く末を見届けたい。


『ゴールド・ボーイ』公式サイト




岡田将生 インタビュー

──岡田さん演じる東昇はかなりの悪人ですね。

でも、実を言うと僕自身は東昇が完全な悪だと思っていなくて。これまでも何度か悪い人を演じましたが、どれも悪役だとは思わず、その人物なりの正当化をしながらお芝居をしてきました。東昇もやっていることは非道ですが、彼には彼なりの正義があると信じて。東昇にとって、(彼の犯行を目撃した)子供たちはものすごく邪魔な存在。なので、それを排除することだけを考えながら演じていました。

──演じることで、「自分自身が消耗するのではないか」ともコメントされていました。

やっぱり、どこか削られていく感覚はありました。自分自身とあまりに違いすぎて、共感できる部分もほぼなくて。自分とは違う役になるのが俳優の醍醐味ではありますけど、こういった役に引っ張られてしまうのはつらいです。撮影後に気づいたのですが、いつの間にか体重が落ちていましたね。ただ、幸か不幸か、スケジュールが立て込んでいた時期の撮影だったので、そういった状況から来る肉体の疲弊を、役に上手く生かそうとも考えていました。東昇が追い詰められていく感じと僕自身の状況が、上手く重なればいいなと。

──そんな東昇を追い詰めていくのが、羽村仁成さん演じる朝陽たちです。

対立する間柄ではあるものの、朝陽と東昇はニコイチとも言える関係性。羽村くんのお芝居がすごく素敵だったので、キャラクター同士でリンクしていく部分が深く出たら面白いなと思っていました。役柄上、撮影現場では距離を取るようにしていたんですけど。本当は、楽しくおしゃべりしながら撮影したかったです(笑)。

──東昇という役が、観客の目にどう映るかは気にしましたか?

そこは全く気にしなかったです。気にするようなら、この役を受けちゃいけない気もしますし(笑)。東昇として、どこまで非道になれるか。そこを突き詰めることができたからこそ、面白かったですし、その分消耗したんだと思います。逆に、皆さんの目にどう映ったのかを聞いてみたいですね。僕自身は東昇のことを、すごく哀しい人間だと思ったりもしていて。生まれ育った環境で人はこんなにも変わっていく。そこを感じ取ってもらえるような一瞬は、もしかしたら映っているかもしれないです。

──『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞授賞式に出席されたとき、ジェーン・カンピオン監督に「Bad boy!」と言われたそうですが、東昇はもっとバッドボーイですよね(笑)。

確かに(笑)。この作品も見てもらえる機会があれば嬉しいですね。ああいう言葉って実は体に残るもので、「そういった役も向いているのかな」と思えたのは事実です。自信に繋がるとまではいかなくても、そういう見せ方もできる顔つきなのかなとか、自分の体と顔を上手く生かせるかもしれないという理解にはなりました。

──俳優・岡田将生さんのパブリックイメージと役柄の関係性について考えることは?

最近は、自分のパブリックイメージについてあまり考えないようになってきて。昔はすごく敏感に捉えていたんですが、30歳を超えた頃からあまり気にしなくなりました。それよりも、1年を通して見たとき、偏らずにいろいろな役を演じられているのが理想。この作品もいろいろな顔を見せられる役をやりたいと思っている中で来たお話だったからこそ、やりがいを感じました。その結果、面白い作品ができたのであれば成功かなと思っています。

衣装クレジット
・コート(SCYE BASICS)
・シャツ(HUM VENT)
・パンツ(HUM VENT)
・サスペンダー(HUM VENT)
・ネックレス(END)
・指輪(END)
・シューズ(foot the coacher)


(Photo:You Ishii)



『ゴールド・ボーイ』公式サイト

大人 対 子供、頭脳戦のゆくえは?
思惑と思惑が入り乱れる極上クライム・エンターテインメント


富豪である義理の父母を崖から海へ突き落とし、完全犯罪を成し遂げたはずの男・東昇と、彼の犯行を崖の下からカメラに収めてしまった3人の子供たち。その映像を脅しの材料にして東昇を揺さぶっていく子供たちと、邪魔な彼らを排除しようとする東昇のスリリングで息詰まる攻防が見どころ。最後に笑うのは、狂気のサイコパスか、狂気の牙城を崩そうとする子供たちか。大人対子供の構図を超え、思惑と思惑が入り乱れていくストーリー展開にハラハラさせられる。

その中でも鍵を握るのが子供たちのキャラクターで、明晰な頭脳で東昇の計画に切り込んでいく少年・朝陽を羽村仁成、朝陽の友人である浩とその義理の妹・夏月を前出燿志星乃あんながそれぞれ熱演。彼らは全員複雑な家庭環境にある上に、浩と夏月に至ってはとある事情から家出中の身。そんな不遇の日々を、東昇から大金をせしめることで脱しようとする彼らの“純粋な反逆”が鍵を握る。

「何をしたとしても14歳までは捕まらない。少年法で決まっているから」という安直な過信は、果たして東昇の狂気に立ち向かう武器となり得るのか。二転三転する怒涛の頭脳戦の末に待ち受ける結末が意味するものに、物語のメッセージも詰まっている


『ゴールド・ボーイ』公式サイト

〈提供:ブシロードムーブ〉

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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